門脇: |
ありましたね。僕自身、石川さんと知り合うまでは、「美味しい味を作ること」しか気にしていませんでしたが、栄養のことも考えるようになりましたし、何よりお客様の表情を気にするようになりました。お客様にとっても、その日の体調や気分などで「美味しいと感じる味」は変わってくるはず。それをどのようにお客様とのやり取りの中で感じ取り、味に反映させるかということを意識するようになりました。 |
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石川: |
いつも言っていることですが、栄養そのものが主役になるのではなくて、あくまでも人の体を中心に考えることが大事だと思います。その人の体が今どういう状態にあるのか、運動をする人だったらどんな運動をどういうペースでしたのか。そこから、どういう食べ物を通じてどういう栄養を摂る事が必要なのか、ということを考えます。一人ひとりに最適な栄養があるわけですから。
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門脇: |
そうですね。このお店も、お客様によっては、コーヒー屋にも、パスタ屋にも、パニーニ屋にも、バールにもリストランテにもなる。僕自身の押し付けではなく、お客様が必要とするサービスを提供していきたいですね。 |
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石川: |
私も行く先々で自分の役割が変わっていると思います。地方にある中学校や高校に講演に行く時は、「東京から来てスポーツ栄養の話をする人」でしょうし、雑誌のお仕事をご一緒させていただく方にとっては、「料理メニューの部分を考える人」、選手にとっては、「コーチングスタッフ」や「メディカルスタッフ」にもなります。ただ、どのような位置づけであっても、「人の体と食べ物をつなぐ」ことを常に心がけている、という点では共通していますね。 |